花芽誘導のしくみ、試験で確認された再現性、そして特許情報(特許第7854667号 登録済み)をまとめています。
多くのイチゴ品種は、花芽形成に低温・短日を必要とし、収穫は冬〜春に限られます。夏の端境期(5〜10月)は生産できません。また病害に弱く農薬を使用するため、残留農薬の規制が厳しい輸出先では出荷停止となる事例が繰り返されてきました。
植物工場でも、農家から苗を購入する方式では、春以降に花芽を付けた苗が入手できず、ハダニ・アブラムシの持ち込みや病害により、安定栽培できるのは概ね50〜60%にとどまるという課題がありました。
子葉展開後の苗に、窒素を含まない水道水を供給しながら、400〜500nmにピークを持つ青色光を2〜4日連続照射します。以降、出てくる芽はすべて花芽となり、栽培条件によらずランナーにまで花芽形成が持続・固定します。
養液・光源の条件を変えて花芽誘導効果を比較したところ、窒素を除いた水道水 × 青色光の条件でのみ、供試20株すべて(100%)が花芽を形成しました。
| 養液 | 光源 | 供試株数 | 花芽形成株数 | 誘導率 |
|---|---|---|---|---|
| 水道水(窒素なし) | 青色光 | 20 | 20 | 100% |
| 水道水(窒素なし) | 赤色光 | 20 | 0 | 0% |
| 養液(窒素あり) | 青色光 | 20 | 0 | 0% |
| 養液(窒素あり) | 赤色光 | 20 | 0 | 0% |
出典:特開2026-100021(試験2)。
植物の花芽形成は、日長性・ストレス・齢(Age)などの要因と、温度や栄養条件によって決まります。本技術は、このうちストレス(窒素欠乏)と光質を組み合わせて花芽形成を誘導するもので、イチゴにおいてストレスによる花芽形成を実用化した初の知見です。従来の低温・短日処理と異なり、処理後に通常の栽培条件へ戻しても花芽が葉芽へ退化せず、持続する点が大きな特長です。
| 特許番号 | 特許第7854667号(登録済み) |
|---|---|
| 発明の名称 | イチゴ水耕栽培における花芽誘導方法 |
| 特許権者 | 株式会社エコタイプ次世代植物工場 ほか |
| 発明者 | 竹葉 剛 |
| 出願番号 | 特願2024-176062 |
| 出願日 | 2023年5月24日(令和5年) |
| 登録日 | 2026年4月23日(令和8年) |
※ 本発明は特許庁の特許原簿に登録され、権利が成立しています。関連する分割出願(特開2026-100021)も公開されています。
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