調査日:2026年10月6日

夏秋イチゴの難しさと、花芽誘導技術の比較

クラウン冷却は「成長点を冷やす」技術。竹葉剛氏の特許は「窒素制限と青色光で花芽スイッチを入れる」技術です。

クラウン冷却:約40日処理 竹葉方式:2〜4日処理 東北大教授説:確認できません
高設水耕栽培のイチゴ温室イメージ

結論

夏秋栽培は難しい。理由は花芽・受精・果実肥大を同時に安定させる必要があるためです。

夏秋期は高温・長日・株疲れが重なり、花芽分化、開花、受精、果実肥大、品質維持が不安定になりやすい作型です。公開資料では、夏秋イチゴの安定化には作型、品種、冷却、施肥、病害虫、出荷品質まで総合管理が必要とされています。

クラウン冷却チューブのイメージ

方法1

クラウン冷却

イチゴ株元のクラウン部だけを冷水チューブで局所冷却します。J-STAGE掲載の2017年論文では、30/27℃の高温条件下、10・15・20・25℃の冷却水で約40日処理しています。

青色LEDと水耕イチゴ苗のイメージ

方法2

竹葉方式

特開2026-100021では、窒素源を実質的に含まない水道水を供給しながら、400〜500nmにピークを持つ青色光を2〜4日連続照射して花芽形成を誘導します。

処理期間の比較

代表値:クラウン冷却は約40日、竹葉方式は中間値3日で表示。

竹葉方式の試験データ

添付提案書の20株試験では、特殊液肥T×青色光のみ20/20株で花芽形成。

一覧比較

クラウン冷却と竹葉方式の違い

項目クラウン冷却竹葉方式
基本原理成長点周辺を低温化窒素制限+青色光
主設備チラー、タンク、循環ポンプ、冷水チューブ青色LED、短期処理スペース、給水切替
処理期間論文例:約40日特許要約:2〜4日
メリット高温下で花芽分化を促進した実験報告あり短期処理で設備・電力負担を抑えやすい可能性
デメリット冷却設備費と電気代が課題。冷やし過ぎは逆効果の報告あり大規模・複数品種・営業ハウスでの追加実証が必要
注意点温度管理の最適範囲と期間管理が重要提案書の「特殊液肥T」と公開公報の「水道水」に表記差あり

提案

実用化では「竹葉方式で花芽を揃える」+「定植後の高温対策」を検証する価値があります。

竹葉方式は花芽誘導の短期化が魅力です。ただし夏秋栽培全体では、花粉障害、受精不良、果実肥大、糖度、株疲れまで同時に解決する必要があります。事業化前には、クラウン冷却、竹葉方式、併用区の3区比較で、花芽率、開花日、商品果収量、電気代、1株売上を確認する必要があります。

出典・確認資料

  1. J-STAGE「Crown-cooling Treatment Induces Earlier Flower Bud Differentiation of Strawberry under High Air Temperatures」2017年公開。Kota HIDAKA, Kazuhiro DAN, Hitoshi IMAMURA, Tomohiko TAKAYAMA。
  2. J-STAGE「イチゴの四季成り性品種間における花芽分化の限界日長の差異」2009年公開。西山 学・海老原康仁・金浜耕基。
  3. 農研機構「夏秋どりイチゴ栽培マニュアル(改訂版)」2008年5月1日。
  4. 東北大学大学院農学研究科 研究者プロフィール「西山 学」。
  5. 添付資料「イチゴ花芽誘導技術_提案書001.pdf」および「イチゴ花芽誘導法特許(1).pdf」。

本ページの温室・クラウン・青色LED画像は説明用の生成画像です。実験写真ではありません。